みなさん、こんにちは

中の人です

中の人は、この時期になると思い出すことがあります

今日はその話でもしようと思います

中の人が高校生の頃、学校までスクールバスで登下校していました

卒業間近で進路も決まっていた中の人は

部活もとっくのとうに引退したというのに

なんとなく、放課後も友人たちとほぼ毎日居残っていました

学校を出る頃には辺りは真っ暗で

いつもと変わらず、ぽつんと生徒を待つスクールバス

車内は部活終わりの下級生がほとんどで

上級生なのに肩身の狭さを感じながらも

３年間見てきたはずの車窓からの景色を

飽きずにぼんやり見ていました

気づいたときには終点に到着していて

いつものように、最後にバスを降りようとしたら

運転手のおじさんに声をかけられました

「今日で私は定年退職で、あなたが最後のお客さんでした

もしよかったら、握手していただけませんか？」と

その運転手のおじさんは挨拶をすると必ず返してくれて

毎日ではないけれど、時々運転席に座っているような印象でした

そんな方からの突然の声掛けに

「フィクションみたいなこれは現実か？」と思ったと同時に

突然訪れた、家族や友人でもない誰かの大事な別れの時

動揺して、すぐには言葉が出てきませんでした

「今までありがとうございました。お疲れ様でした。」

「あの、本当に私でいいんですか？」とか

心の声もすべて話してしまうくらいに緊張していて

それでも恐る恐る手を差し出したら

運転手のおじさんは笑って「ありがとう」と握手してくれました

いつもはバスを降りても振り返ったりしないけれど

その時だけは、バスが見えなくなるまで見送ったのを覚えています

今でも心残りなのは

高校生だったけれど、それでも！

気の利いた言葉、もっと他にもあっただろう！ということ

そして今でも思い出せるくらい

あのおじさんは素敵で立派な運転手だったということ

今もどこかで元気でいてくれたら嬉しい

みなさんは、もし同じ状況になったら

どんな言葉をかけますか？